幸せの経済学 | tomohilow blog

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ヒマがあればワリと書く。ヒマワリのごとくあかるい方向に顔を向けて生きていきたいです(`_´)ゞ

目黒の自然植物園の1コマ。
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近くを通る大通りのクルマの音が大きくて落ち着かず
あまりいい印象は残っていないものの、、

久しぶりに人と話せて嬉しそうだった警備員の人とのちょっとした会話と、
整った芝生に並べられたこのイス達の存在はよかったです。

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小学生の頃、工作の時間に木のイスを作ったことがあります。

その頃からプラモ系、設計系が苦手な自分は、何度も感覚で作ろうとし、
穴を二つ開けてしまったり背もたれの部分の角を削るのを省略しながら
完成したイスは、足のサイズがそろっていないという代物でした。

そのイスを持って帰ると、まだ生前の祖父がそれを使うといい、
ベランダにそれを置き、腰掛け、タバコを吸っていた事を思い出します。

子供ながらにその姿はうれしかった。

何しろ足のサイズが異なりガタガタだったので、
今思うと結構無理して座ってくれていたんだろうなぁと。

大人になるにつれ、その思い出はますますぐっとくるものがあります。


今、改めて考えてみると、その頃の工作の時間には何かを作り上げること自体が
目標になってしまっていて、作り上げたものをどう活かすか、それによって
人がどう喜んでくれるのか(もしくは空振りに終わるのか)ということがなかったなと。


「では、その作ったイスを街に置きにいきましょう」
「一週間後、街に置いたイスに誰かが座ってくれたらそのひとと話しましょう」

という風な工作の時間の続きがあったら、、もしかしたら
自分の工作に対する不得意感は変わっていたのかもしれないなと思います。


学校の友達や先生からだけでなく、商店街の人や駅前のサラリーマンなどに
そのイスを座ってもらい感想を聞いて、多方面から、リスペクトされる
(もしくはけなされる)機会が与えられていたら、それはいい教育になるのではと。


身近なひとからのリスペクトのある社会。

これを考えさせられたふたつのことについて。



先日見た展示会『studio-L コミュニティデザイン展(→詳細)


greenzというメディアを通して知った、離島経済新聞の鯨本さん
の書いた記事経由で、studio-Lの山崎さんという方を知りました。

山崎さんの仕事は地方コミュニティを活性化させる為にどういった
コミュニケーションをデザイン出来るかといったことを仕事にされているようです。

会ったことはないのですが、書いた本を読んだところ、
刺さるが部分多く、久々に感性を刺激させられました。

情熱大陸にも取り上げられていたそうで、、
町おこし、地域の文化・お祭り、サスティナビリティライフ...etc
的な話が好きな方は面白いと思うのでぜひ本読んでみてください。

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何か仕事でつながれないかなと思い、展示会に足を運んでみましたが、
そのときに山崎さんが行った数々のワークショップを見学しました。

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その中で事務所の紹介として、日本で著名な建築デザイナーの方が
「こういう仕事は人と人。人間味。」といったことを言っていたのですが、
デザイン事務所はとにかく合理性とかっこいいものを作ることが優先なのかと
思っていたので、それが自分にとって学びでした。

今の仕事柄、合理性と採算性、仕上がりのきれいさを好みがちだったので、、
上位概念に「人と人」というフレーズを置く考え方を意識せねばと戒められました。



もうひとつ、コミュニケーションを深く考えたのは、
『幸せの経済学(→詳細)』という映画を観たとき。

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この映画はヘレナ・ノーバーグ・ホッジさんという
ヒマラヤのラダックという農村地帯の地域経済学を研究している監督が
閉鎖性のある社会で育まれたその特別な文化をリスペクトした上で、、


世界を覆う資本主義、グローバリゼーションの様々な弊害、
競争社会にあらわれてくるギスギスした人間関係、
お金だけあっても孤独な老人、あっというまにマネー転落する危険性、
地域間の経済格差、貧富の差、差別、孤独、エネルギー不足、気候変動、
それを是正する為にはローカライゼーションで暮らすべき!
という主張を表したドキュメンタリー映画でした。


その映画で語るローカライゼーションとは、
「身近な地域社会でもらえる人々のリスペクトを大切に考え、
 持続可能な環境配慮のライフスタイルを行う為に、
 食べるもの消費するサービスはすべて身近なもので。
 身近なものにこそ価値をもつ意識を育みましょう」
みたいなことでした。...日本語に訳すと何になるのだろう?


あまりにも多くの情報と強めの主張がおり混ざるので観た後は結構
ぐったりなのですが、、個人的にはとても観てよかったです。
UPLINKでやっているので、ドキュメンタリー好きな方は!


個々人の幸福度ははたから見たひとが評価するべきでないという前提にあるにせよ、
この映画で見られた「現在の歪んだフレームは未来に生きる人たちの為に
正していかないといけないのだ」という情熱はとても共感出来ました。


人口増加とテクノロジー、生活基準の上昇に伴う世界でのエネルギーの枯渇問題や
環境悪化の観点は間違いのない事実なので、それに対する主張はどこにおくとしても
必ず持続可能性をもったそうしなければならない日が来ると思っています。


ただし、絶対に今の便利な部分はいきなり捨てられないなので、、
便利な生活の一歩先にある、心を満たす生活に持続可能で環境配慮な
ローカライゼーションがおかれるべきと個人的に思っています。


studio-L 山崎さんのようなコミュニティデザイン論と
IT技術とソーシャルメディアの伸び、エネルギー問題、
最近、不思議なくらいに周りに流れついてくる色々な情報から、
"資本主義の中で選択可能な地域経済/地域文化中心のグリーンな社会"
多くの人が向かう方向はここなのだろうなぁと思いました。


そして、現に世界でそうなりつつある。
あとは、どのくらいの人がいつ、そこを目指すか。
量と時間をいかに加速させるだけの問題だけだとも。


自分はいなか暮らしをしたことがない為、地域中心の生活と、
孤独・競争があっても便利でのし上がる都市型の生活と、
そのどちらの生活が向いているかなんてことはわかりませんが、
一度はああいった生活を経験してみたいなと。。


自分の中での「幸せの経済学」が固まったとき、
本当の意味での自分の道が決まるのかもしれないなとか思ってみました。
と、同時にそれはいつまでも決まらず、コロコロするんだろうなぁと。